週刊新潮によるセカンドレイプ

沖縄の女子中学生暴行事件は、日本の刑事手続きでは完結したことになる。
被害者が告訴を取り下げたからだ。

強姦や強制わいせつは親告罪であるから、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない。
なぜなら、裁判は公開が原則であり、その裁判jにおいて被害者がどのような被害を受けたか、微にいり細に入り明らかにされることになる。
つまり、被害者にとっては、加害者に処罰を求めるためには、被害された模様を思い出し、それを法定で述べなければならないことになる。
これが被害者にとってはセカンドレイプとなってしまう。
それを考慮して、強姦や強制わいせつは親告罪となっており、公訴条件となっている。

何故、被害者は告訴を取り下げたのか?
被害者側は、「もう、そっとしておいてほしい」と取り下げたとのこと。
そして、被害者を追い込んだメディアの一つに週刊新潮がある。
そのことは、柳原滋雄さんコラムに詳しい。



2008/03/01(Sat)
“セカンド・レイプ誌”「週刊新潮」の影響か  被害少女が告訴取り下げ
 1日付の各紙報道によると、2月10日に女子中学生を強姦したとされる在沖縄米海兵隊の二等軍曹(38)は、被害を受けた少女が刑事告訴を取り下げたために不起訴処分となり、すでに釈放されたという。29日夜に行われた那覇地検・検事正の記者会見では、女子中学生は「もう、そっとしてほしい」との心境のようで、深刻なショックを受けた少女への事情聴取は次第に難しくなったともいう。
 すでにこの問題については、2月14日に発売された「週刊新潮」(2月21日号)が、「『危ない海兵隊員』とわかっているのに暴行された沖縄『女子中学生』」と題する2ページの記事を掲載し、そのことで少女への“二次被害”が生まれていることが懸念されていた。今回の問題で、「被害者」が“泣き寝入り”しなければならない風潮をつくったと見られる「週刊新潮」の責任は大きなものがあり、毎日新聞の報道などによると、心ない週刊誌報道による少女への「重圧」の結果と懸念する声がすでに出始めている。
 
週刊新潮は、被害者の非をあげつらっただけでなく、訴追を断念させたことになる。
米軍による裁きが日本のそれと比較してどうであるかはなんとも言えないが、少なくとも、日本の刑事裁判を免れさせる結果をもたらすことで、週刊新潮は加害者に加担した。

まさに、週刊新潮こそ人権の敵である。

追記(3/4)

柳原滋雄さんコラム(3/4付け)によれば、まさに週刊新潮が被害者宅を直接取材したことが、被害者の告訴取下げの要因とのこと。


2008/03/04(Tue)
被害少女宅を“直接取材”した「週刊新潮」記者
 沖縄で女子中学生が米海兵隊員に強姦された問題で、「週刊新潮」が被害少女の自宅を割り出し、同誌記者が少女の自宅を“直接取材”していたことが告訴取り下げの要因の一つにあげられている。沖縄県紙「琉球新報」は1日付で、「被害者宅に週刊誌記者 県警『報道被害』を指摘」との小見出しを立て、次のように報じている。
 「被害者が告訴を取り下げた要因の一つに、報道被害を指摘する捜査関係者もいる。一部週刊誌は事件発生の数日後、取材のため被害者宅を訪れた。ある県警幹部は、『被害者の家に行ったのはどこの会社だ。被害者は自宅が特定されたことなども含めて不信感を抱いている』とあからさまに怒りを見せた」
 ここでいう「一部週刊誌」とは、「週刊新潮」のことを指している。同誌編集部が被害者宅をどのようにして特定したかその方法は定かでないが、同誌が契約を結ぶ報道機関専門の調査探偵会社を利用した可能性もある。いずれにせよ、捜査機関など限られた関係者しか知らなかった個人情報(氏名・住所)が漏れたことで不信を募らせた被害少女側はその後、警察の取調べに積極的に応じなくなった。結局、こうした被害者宅への“直接取材”をへた上で掲載されたのが、「『危ない海兵隊員』とわかっているのに暴行された沖縄『女子中学生』」と題する、≪被害者側の少女を糾弾する≫ための2ページの特集記事だった。
 1日付の「琉球新報」には、沖縄大准教授による次のようなコメントも掲載されている。「彼女に非があるような論調を展開するメディアの報道や、男性ジェンダー的な圧力によって、(※中学生の少女が)言葉でずたずたにさせられたことの問題は大きい」。
 被害少女による告訴取り下げによって、3月23日に北谷町で予定されていた県民集会の開催も動揺を見せているようだ。すでに自民党県議団が参加を見合わせ、「超党派」の枠が崩れたことで県知事も参加しない公算が強まっている。一方で、人権問題だけに、抗議のための集会として、開催自体は当初の予定どおり実行される見込みだ。
 こうした動きに合わせ、ネット上ではすでに「週刊新潮」の不買運動を呼びかける動きも出始めている。
 【参考】 http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200803031903531

ここで、参考としてあがっているURLは、橋本勝の21世紀風刺絵日記の「第89回:これからも米兵の性犯罪隠しにガンバレ週刊新潮!!」である。

こういう一部マスゴミによる愚劣な行為が、マスコミへの規制となって現れてくるかも知れない。
現に、人権擁護法案では、メディア規制が俎上にのせられていた。
裁判員制度も控えて、やはりメディア規制すべきだという議論が復活するかも知れない。
そうならないように、マスメディア側の自主的な取り組みに期待したいところではあるが…

投稿者: 日時: 2008年03月03日 19:46 | パーマリンク |TOPページへ   ▲画面上へ